部室に来たら彼方さんが難しい顔をしていた。
栞子「こんにちは」
彼方「あ〜栞子ちゃん」
栞子「何か…難しい顔をしてた様に見えましたが。何か悩み事ですか?」
栞子「そうなんですか。では一体…?」
彼方「うん。栞子ちゃんは…これ、何で呼ぶ?」
栞子「へ?」
彼方「これだよ、これ。我々に与えられた二つの膨らみの事だよぉ」
栞子「あぁ…胸ですか?」
彼方「栞子ちゃんは胸って呼ぶの?」
栞子「はい。変ですか?」
栞子「………はい?」
彼方「彼方ちゃんはおっぱいと呼ぶんだよ」
栞子「………そうですか」
彼方「うん」
彼方「おっぱいって…良い響きだと思わない?」
栞子「えっと…考えた事なくて…」
彼方「おっぱい…これ以上にふさわしい名前はないと思うんだよね」
彼方「おっぱいって響き。心地よくて、柔らかくて、温かい。母性も感じる語感じゃない?」
栞子「それは…まあ…」
彼方「おっぱいにおっぱいって名前をつけた人は天才だと彼方ちゃんは思うんだ」
彼方「うん。栞子ちゃんのおっぱいもおっぱいで良かったね」
栞子「あの…あまり私を巻き込まないで下さい」
彼方「どう言う事?」
栞子「ですから…私のとか…言わないで下さい」
栞子「ですから…恥ずかしいので」
彼方「恥ずかしいの?」
栞子「そうです」
彼方「恥ずかしいのかなぁ?胸って言うのは良いの?」
彼方「やっぱり、おっぱいと言う響きに特別な力があるのかなぁ?」
栞子「そうなんじゃないですか」
彼方「もし、おっぱいじゃなかったら何だったと思う?」
彼方「思い浮かばないよね。だって、おっぱいはおっぱい以上にふさわしい響きなんて考えられないもん。どうやって付けたんだろう。おっぱいって」
栞子「それは…語源って事ですか?」
彼方「そうおっぱいの由来」
せつ菜「お疲れ様です!!!今日も良い天気ですね!!!練習日和ですねー」
栞子「せつ菜さん!!!」
彼方「おぉ〜せつ菜ちゃん〜」
せつ菜「あれ?お二人だけですか?」
彼方「せつ菜ちゃん。一つ聞いて良い?」
せつ菜「はい?何でしょうか?」
せつ菜「え?」
栞子「ほら…せつ菜さんも困ってますよ」
せつ菜「諸説ありますが…有名なのは1859~60年のだいたい幕末ですかね?その頃に書かれた『於路加於比』と言う文献に「乳汁をおつぱいとは、ををうまいの約りたる語なるべく」という記述がありまして…」
栞子「知ってるんですか!!!」
彼方「でもそれだと…おっぱいじゃなくてさ〜おっまいになるよね?」
せつ菜「確かに。言われてみればそうですね」
せつ菜「まあ、言葉は時代と共に少しずつ変わっていきますから」
彼方「じゃあ、もしかしたら昔はおっまいだったかもしれないって事だよね〜」
栞子「それはないとおもいますが…」
彼方「栞子ちゃんとおっぱいってこれ以上に相応しい呼び方ないよね〜って話してたの」
栞子「私は一言も言ってないですよ」
彼方「ちなみに〜せつ菜ちゃんはおっぱいの事を何て呼ぶ?」
せつ菜「え?バストですかね?」
彼方「あんなに詳しいのにね」
栞子「そんな一般教養聞いた事ないですが…」
せつ菜「あはは…そうですか?」
ガチャ
愛「おっつー」
彼方「おっ!愛ちゃんだ〜タイミングいいね〜」
愛「愛さんだぞ〜タイミングって?なになに?」
彼方「愛ちゃんはおっぱいの語源知ってる?」
栞子「そっちを聞くんですね」
栞子「何故知ってるんですか…しかも、せつ菜さんとは違う説を…」
愛「古代朝鮮語では『吸うもの』を意味する言葉をパイって言うんだけど、それが語源だって言われてるんだよね。おっぱいって基本吸うでしょ?」
せつ菜「そうですね。赤ちゃんは」
栞子「彼方さんが急に言い出して」
愛「語源が何かって?」
栞子「語源と言うか…その…」
愛「その?」
栞子「彼方さんから説明して下さい」
彼方「ん〜ほら?おっぱいって凄い良いネーミングセンスだなぁって思ってさ〜」
愛「ま〜確かに。おっぱいっていい響きだやな。耳に残るって言うかさ」
彼方「でしょう?」
愛「うん。おっぱい以上に相応しい名前思いつかないもんね」
栞子「得意気に言われても…」
愛「おっぱい…おっぱいには夢がいっぱい詰まってるからこんなに大きく膨らんでるのかもね」
せつ菜「なるほど。その発想は今までなかったです」
栞子「それが普通です」
栞子「な、何ですか?」
彼方「栞子ちゃんはまだ一年生だし…これからだって!」
栞子「別に何も気にしてませんが…」
栞子「ですから…気にしてないと言ってるじゃないですか」
侑「何の話?」
愛「ありゃ?ゆうゆ…いつの間に」
歩夢「今来た所だよ。ね?」
侑「うん。で?何の話してたの?」
侑「おっぱいの話?」
愛「そうそう。おっぱいってネーミングセンス良いよね〜って」
侑「あ〜なるほど」
歩夢「納得するんだ…」
栞子「良かったです」
歩夢「え?」
歩夢「あはは…だって…いきなりおっぱいの話しをされたら…ね?」
栞子「ああ…はい…」
歩夢「どうしたの?」
栞子「いえ…歩夢さんも普通に言うんだなと…」
歩夢「何が?」
栞子「何で当然の様に知ってるんですか…。って言うかそれ本当なんですか…?」
侑「さあ?諸説ありだからね」
歩夢「侑ちゃん、中学生の時に辞書で良く調べてたもんね〜」
侑「やめてよ〜恥ずかしい」
侑「え?普通やるよね?」
愛「やるやる。おっぱいに限らずだけど中学生の頃、一度は辞書で引くよね〜男女問わずさ」
彼方「そうだね〜」
栞子「え…そうなんですか?」
歩夢「私はしてないよ」
せつ菜「私も…特別調べたりとかは」
せつ菜「別に詳しくは…」
侑「おっぱいと言えばさ。中学生の修学旅行の時、皆んなで揉み比べしたんだけどね」
栞子「揉み比べ…」
歩夢「侑ちゃん…その話やめて」
侑「なんと歩夢が優勝したんだよ!」
愛「お〜…おめでとう」
せつ菜「おめでとうございます」
彼方「おめでとう〜」
歩夢「なんかやめて」
侑「いいね!」
せつ菜「それはやめましょう」
歩夢「私も絶対に嫌だよ」
栞子「安心しました」
侑「私も、ぜひおっぱいを味わって欲しかったよ」
歩夢「侑ちゃん…人のおっぱいを何だと思ってるの」
愛「でもさ、歩夢のおっぱいって確かに…なんて言うか…良いよね」
歩夢「何で!!?」
侑「そうそう」
歩夢「私のおっぱいの何を知ってるの…」
栞子「あの…」
愛「どうしたの?しおってぃーも歩夢のおっぱいを揉みたいの?」
愛「連呼?」
栞子「ですから…」
彼方「おっぱいだよね。栞子ちゃんはおっぱいって言うのが恥ずかしいんだよ」
侑「そうなの?」
栞子「……だって恥ずかしいじゃないですか」
栞子「でも…」
侑「生物はさ…皆んな母から産まれるんだよ。つまりおっぱいから産まれるんだから」
歩夢「侑ちゃん。それは例えが変だよ。違うと思う」
愛「うん。それは愛さんもそう思う」
栞子「殻を破る?」
愛「ま〜確かにアイドルは人に見られてなんぼだしね。殻を破るのは大事かも!」
栞子「それは…どう言う事ですか?」
侑「栞子ちゃん!試しにおっぱいって口にしてみよう!」
侑「殻を破る為だよ!」
栞子「……………おっぱい」ボソッ
彼方「照れてると余計恥ずかしいよ〜」
侑「大きな声で言ってみよ!」
栞子「おっ…おっぱい!」
愛「お〜」
侑「その調子!」
栞子「おっぱい!」
しずく「ごめんね、かすみさん」
かすみ「別に良いけど〜…お疲れ様で〜す」
ガチャ
栞子「おっぱい!」
侑「良い感じだよ!」
栞子「本当ですか!」
彼方「本当だとも〜」
璃奈「かすみちゃん」
かすみ「りな子…どう言う状況?」
璃奈「殻を破ってるんだって」
栞子「おっぱい!!!」
侑「最高だよ!!!」
かすみ「しお子…」
栞子「かすみさん!私、スクールアイドルとしてまた一つ成長出来ました!」
しずく「そうなんだ…」
栞子「見てて下さい」
かすみ「何する気?」
かすみ「………」
しずく「………」
栞子「どうでしょうか?」
かすみ「バカみたいだからやめた方がいいよ」
栞子「え…」
栞子「はあ…この間は酷い目に遭った…思い出したくない…」
薫子「栞子ーーー!!!居るーーーー!!?」
栞子「……居ないです」
薫子「居るじゃーん」
栞子「何ですか?私は忙しいのですが」
栞子「はあ…この間は酷い目に遭った…」
薫子「栞子ーーーー?いるーーーー?」
栞子「………居ません」
薫子「居るじゃん。ツーリング行こうぜ!」
栞子「行きません」
薫子「え〜暇なんだよ。行こうよ」
栞子「行かないと言ってるでしょ。私は忙しいので…ん?」
薫子「どうした?」
薫子「へ?何で?」
栞子「ゴミがついてますよ」
薫子「ゴミ?どこに?」
栞子「おっぱいの所です………あっ」
薫子「へ〜……ありがと」ニヤニヤ
乙π
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