璃奈「我ながらまた凄い物を作ってしまった。自分の才能が怖い」
璃奈「さっそく部室に置いて実験しよう。つい押したくなるようなメモを添えてっと」カキカキ
璃奈「私は別室から監視カメラで様子を見る。誰が押すかな」ドキドキ
侑「あれ?なんだろこのスイッチ。また璃奈ちゃんが何か作ったのかな」
侑「なになに…?」
『押すとエマさんのおっぱいが更にでっかくなって母乳が止まらなくなるスイッチ』
侑「むっひょーーー!!!」ポチッ
侑「アヘァッッッ!!!」バーーーーーン
侑「ハ……ハユム……」ガクガク
歩夢「!!! これは……まさかアヘ顔ダブルピース!?しっかりして!侑ちゃん!!」ユサユサ
侑「ア……アヒャ……」ガクガク
歩夢「どうして……どうして侑ちゃんが私のいないところでアヘ顔ダブルピースを……」
歩夢「……ん?」
(テーブルに置かれたスイッチ)
歩夢「」
歩夢「…………」キョロキョロ
@cメ*◉ _ ◉リ ← 監視カメラ発見
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ニコッ
璃奈「」ビクッ
歩夢「保健室に行こうか。立てる?侑ちゃん」ガシッ
侑「アヘァ……」ガクガク
歩夢「侑ちゃんの頭の中を、ぜんぶ私で上書きしてあげるね。そうすればきっとアヘ顔も直るよね」
歩夢「これは侑ちゃんのためだからね。仕方ないよね」
侑「」ズルズル
ガララッ
璃奈「実験大成功。さすが私」
璃奈「この後のことは……うん。いったん考えないでおこう」
璃奈「誰でも強制的にアヘ顔ダブルピースさせられるスイッチ」
璃奈「これを使えば、きっとみんなの普通じゃ見られない表情が……」
璃奈「…………誰でも?」
璃奈「…………」
璃奈「……………………」
璃奈「………………………………」
ガラッ バタン ← 璃奈退出
璃奈「ミンナ、オハヨー(棒)」
璃奈「アレー、ナンダッケーコノスイッチー(棒)」
璃奈「ナンノスイッチダッタカ、オモイダセナイナー(棒)」
璃奈「ソウダー。オシテミタラオモイダセルカモシレナイー。サッソクオシテミヨー(棒)」
璃奈「……えいっ」ポチッ
璃奈「あへぁ」
璃奈「………………」
ポチッ
璃奈「あへぁ」← 真顔ダブルピース
璃奈「………………」
璃奈「………………………………」
璃奈「………………………………………………」
かすみ「はいはーい!今日もかわいいかすみんの登場ですよー!」
かすみ「あれっ。どうしたのりな子?両手でピースなんてして」
璃奈「…………」
かすみ「なにか嬉しい事でもあったの?」
璃奈「我はメシア、明日この世界を粛清する」
かすみ「本当にどうしたの!!?」
かすみ「ピースしながらすごく怖いこと言ってる!!?」
かすみ「えっ、嬉しい事じゃなくて嫌なことがあったの? かすみんでよければ相談に乗るよ?」
璃奈「…………」スッ
かすみ「……何このスイッチ?」
璃奈「押して」
かすみ「……押すと世界が消えたりとかは」
璃奈「しないから押して」
かすみ「………………」
ポチッ
かすみ「アヘァッッッッッ!!!!!」バーーーーーン
ポチッ(解除の音)
かすみ「ッッッ!!!」
かすみ「ハァ、ハァ……今、かすみんスゴい顔してなかった……?」
璃奈「見事なアヘ顔だった。かすみちゃんにはアヘ顔の適正があるかもしれない」
かすみ「…………アヘ顔?」
璃奈「そう。これは押した人に強制的にアヘ顔ダブルピースさせるスイッチ」
かすみ「何それ!? かわいいかすみんに何てもの押させてんの!?」
璃奈「かすみちゃん、アヘ顔がなんなのか知ってるんだ。ちょっと意外」
かすみ「……あっ、いや、その」
かすみ「なにそれぇ~? そんなかわいくない顔なんて、かすみんちっとも知らないなぁ~?」
璃奈「語るに落ちてる」
璃奈「…………」スッ
ポチッ
璃奈「あへぁ」
かすみ「………………?」
ポチッ
璃奈「あへぁ」v从・-・从v
かすみ「………………」
かすみ「あっ(察し)」
かすみ「どういうわけ!? いや何となくわかったけど、えっ、でも、えっ!!?」
璃奈「かすみちゃんは、どんな方法で破壊するのがいいと思う? 特別に選ばせてあげる」
かすみ「ラスボスみたいな提案してこないで!?」
璃奈「やっぱり、巨大隕石が定番かな?」
璃奈「すごい衝撃で、地球が内側から爆散するの。きっとキレイだと思う」
璃奈「そうだ。つい今まで普通に暮らしてたのに、気づいたら次の瞬間には終わってる、っていうのも味がありそう」
璃奈「何が起きたかもわからないまま、みんな真っ白な世界に……」
璃奈「うん。ちょっと家に帰って、そういうスイッチ作ってくるね」
かすみ「『うん』じゃない!!! 作るな!!! このマッドサイエンティスト!!!」
璃奈「かすみちゃんには、私の気持ちはわからないよね」
璃奈「あんなアヘ顔ができるかすみちゃんには」
かすみ「あのさ。りな子のアレコレはわかってるつもりだけど、これだけは言わせて?」
かすみ「私、別にやりたくてやったわけじゃないからね?」
かすみ「さっきのは、りな子が無理やり私にやらせてきただけだからね?」
璃奈「でもかすみちゃんのアヘ顔スゴかった。ガンギマってた」
璃奈「口では否定してるけど、体は正直」
かすみ「やめてよそういうこと言うの!! 変な噂が立ったらりな子のせいだよ!?」
かすみ「だって、ア……あの顔だよ?」
璃奈「……別に、表情の種類がどうとかいう話じゃない」
璃奈「このスイッチは、押した人の脳にまず強烈な快楽信号を流す」
璃奈「同じく激しい電波により、表情筋の弛緩、眼球運動、腕の筋肉の強制収縮……」
璃奈「とにかく様々な現象を引き起こし、押した人を確実かつ速やかにアヘ顔ダブルピースにする」
かすみ「前から思ってたけど、人になんて物を押させてるの……?」
璃奈「普通の人であれば、これを押したが最後。表情の変化からは逃れられない」
璃奈「そういうスイッチだった」
璃奈「そう、普通の人であれば」
璃奈「それが私に効かなかったのは……つまり、そういうこと」
璃奈「でも、人の表情を変える目的の発明を作ったのは、今回が初めて」
璃奈「もしかしたら、無意識に避けていたのかもしれない」
璃奈「作ったら、改めて思い知ってしまいそうだから」
璃奈「私は。……私の表情は」
璃奈「もはや、どんな技術を使っても……どうしようもないものなんだって」
璃奈「そして結果はこれ。もう、笑うしかないよね」
璃奈「笑う? 笑うって、どうやったらいいんだろう」
璃奈「こんな感じかな? あはは。あははははは。あははははは」
かすみ「……りな子……」
かすみ「そこまで思い詰めることになるのに、なんでこんなどうしようもないスイッチ作ったの……?」
璃奈「みんなのアヘ顔が見たかったから」
かすみ(そんなヒドい理由から、どうしてこんな深刻な話に……)
かすみ「あのさ、りな子。あまり誰かに話したことはないんだけど」
かすみ「かすみんもさ、自分のことがキライになる時があるんだよね」
璃奈「……そうなの?」
かすみ「うん。りな子からしたら、大した話じゃないかもしれないけど」
かすみ「思ったようにファンは増えないし、上手く行かないことも多いし」
かすみ「自分が本当に、みんなから見てかわいいのかって、不安になって……」
かすみ「そんなことを考えちゃう自分が、嫌になっちゃったりするの」
璃奈「………………」
かすみ「それでも私がスクールアイドルを続けていられるのは」
かすみ「ファンのみんなは、そんな私だから応援してくれてるんだって気づいたから」
かすみ「かわいくないところもひっくるめて、みんながありのままの私を好きでいてくれるから」
かすみ「だからかすみんは、今日も明日もかわいいスクールアイドルでいられるの」
璃奈「かわいくて。ぶりっ子で。からかいがいがあって」
璃奈「時々悪どいことしようとするのに、何だかんだで上手く行かない」
璃奈「一緒にいるととっても楽しい。そんなかすみちゃんのことが、好き」
かすみ「いくつか気になるワードがあったけど……。まぁ、今は誉め言葉として受け取ってあげましょう」
かすみ「何が言いたいかって言うと、りな子がどう思うかはわかんないけど」
かすみ「私も、同好会のみんなも、りな子のファンの人たちだって、」
かすみ「みんな、ありのままのりな子が大好きなんだから!」
かすみ「だからりな子も……たとえどんな苦手なことがあったとしても」
かすみ「もっと自分に自信を持っていいんじゃない?ってこと!」
かすみ「前にも言ったけど、アイドルっていうのは、ダメなところも武器に変えるものなんだから!」
璃奈「そう、だね」
璃奈「みんな、こんな私のことを好きになってくれた」
璃奈「人とは違っても……かすみちゃん達やファンのみんな……私と繋がってくれた」
かすみ「そう! みんな、りな子の魅力をいっぱい知ってるよ!」
かすみ「かわいくて……と言ってもかすみんほどじゃないですけど」
かすみ「天才だし、いつも冷静だと思ったら意外とお茶目だし、」
かすみ「パフォーマンスはビックリするくらい元気いっぱいだし!」
かすみ「りな子が思ってる以上に、りな子の魅力っていっぱいあるんだよ!!」
璃奈「……たしかに」
璃奈「私はかすみちゃんと同じくらい、いやそれ以上にかわいいかもしれない」
璃奈「なぜならキュート系スクールアイドルだから」
かすみ「おっ、言ったなー? 残念だけどかすみんの方が何百倍もかわいいですからねー?」
璃奈「璃奈ちゃんボード『えへへ』」
璃奈「みんなのおかげで作ることができた、私の武器が!」
かすみ「そうそう!その通り!!」
璃奈「できないことがあっても、自分にしかできないやり方で、できるようにすればいいんだ!」
かすみ「その意気だよりな子!」
璃奈「私の経験、知識をすべて使って、絶対に成し遂げてみせる!」
璃奈「私にしかできない――――」
璃奈「とっておきの、アヘ顔を!!」
かすみ「………………」
かすみ「は?」
璃奈「と言うわけで、オートエモーションコンバート璃奈ちゃんボードにアヘ顔機能を搭載した」ドンッ
かすみ「…………」
璃奈「アヘ顔ダブルピーススイッチも持ってきた。さっそく試運転する」
璃奈「かすみちゃん、動画撮影お願い」
かすみ「…………」●REC
璃奈「じゃあ押すね。3、2、1……」ドキドキ
ポチッ
璃奈「あへぁっっ!!!」バーーーーーン
かすみ「…………」スッ
璃奈「ちゃんと撮れてるかな。どれどれ……」
璃奈「………………」
かすみ「………………」
璃奈「………………」
璃奈「…………うん」
ピッ ピロンッ ← 動画削除
璃奈「この機能、永久に封印するね」
かすみ「それがいいと思うよ」
~完~
かすみ「おっはよーございまーす!」ガララッ
璃奈「……おはよう、かすみちゃん」
かすみ「おはよーりな子ー♪ ……ん?」
かすみ「また新しいスイッチ作ってきたの?りな子」
かすみ「今度はどんなロクでもないことが起きるの?」
璃奈「……これは」
璃奈「押した人が、笑顔になるスイッチ」
かすみ「…………ふぅーん」
璃奈「押してみて、かすみちゃん」
かすみ「ん」ポチッ
かすみ「えへっっ♡♡♡」バーーーーーン
璃奈「さすがかすみちゃん。とってもかわいい」
璃奈「かすみちゃんには、笑顔の適正がある」
かすみ「えへへっ、それほどでも♡」ニコニコ
璃奈「うん」
かすみ「………………」
璃奈「………………」
かすみ「………………」
かすみ「押さないの?」
かすみ「押さないなら、かすみんが持って帰っていい?」
璃奈「………………」
璃奈「表情筋や、その他もろもろへの作用の仕方は違う」
璃奈「だからこのスイッチだったら、前のとは違って、私にも効く可能性はある」
璃奈「もしこれで私が笑顔になれたら」
璃奈「スイッチがなくても、私だっていつかきっと、笑顔を出せるようになる」
璃奈「それを知ることができたら……」
璃奈「自分にもっと、自信を持てるようになるかもしれない」
璃奈「そう思ったから、このスイッチを作った」
かすみ「………………」
璃奈「あらゆる手段を使っても、私が笑顔を出せることはないって、わかってしまったら?」
璃奈「今度こそ私は――世界を壊そうとしてしまうかもしれない」
璃奈「自分も、何もかも、消し去りたくなってしまうかもしれない」
璃奈「だから、押すのが、怖い」
璃奈「確かめるのが、…………怖い」
かすみ「…………んー」
かすみ「その時は代わりに、私がりな子につきあおっか?」
璃奈「…………えっ?」
璃奈「いま自分が何を言ったか、わかってる? とんでもないことを言ったよ?」
璃奈「世界一かわいいスクールアイドルに、なりたいんじゃなかったの?」
かすみ「もちろん、夢を捨てるわけじゃないよ?」
かすみ「でもりな子を放っておくこともできないって思ったから」
かすみ「いくらかすみんが世界級にかわいいって言っても、世界の代わりはちょっと荷が重いけど」
かすみ「りな子の気が少しでも晴れるなら――どこまででも、つき合っちゃおっかなって」
かすみ「だからいいってば。その代わり、りな子もかすみんに約束してほしいなぁ」
かすみ「これでりな子が、かすみんに笑顔を見せてくれたら、りな子は、」
かすみ「この世界中で、たった一人だけのりな子自身のことを、もっと好きになってあげるって」
かすみ「そしていつかスイッチなしで、最高の笑顔を、かすみん達に見せてくれるって」
かすみ「ねっ、約束してくれる?」
璃奈「じゃあ、押すね」
かすみ「うん」
璃奈「――手、握っててくれる?」
かすみ「お安い御用♪」ギュッ
璃奈「…………ありがとう」
ポチッ
――――
――
歩夢「おはようございまーす」ガララッ
歩夢「あっ、かすみちゃん早いね。他のみんなはまだ来てない?」
歩夢「璃奈ちゃんがすぐに戻ってくる? そっか。じゃあ先に着替えてくるね」
歩夢「……どうしたの?かすみちゃん。すごいニコニコして」
歩夢「なにか嬉しい事でもあったの?」
かすみ「にひひっ♪」
~終~
最近とあるマンガで無表情系のキャラがすごいアヘ顔してたのを見て思いついた話でした
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