日野下花帆
梢「……なんてね」ﾌﾌｯ
花帆「あっ、梢センパイ！」
梢「か、花帆さんっ！？聞いていたの！？」ﾋﾞｸｯ
花帆「昨日の配信見てくれたんですねっ！」ﾆｺｯ
梢「私が花帆さんの配信を見逃すはずが無いでしょう」ﾌﾌﾝ
花帆「コメントに鬼とか書いてあっても拾わないようにしなきゃ……」ﾎﾞｿｯ
梢「花帆さん？」
梢「ええ、とても可愛らしくて癒やされたわ」ﾆｯｺﾘ
花帆「ホントですか？やったぁ！」
花帆「…………」
花帆「ところで話は戻るんですけど……さっきの猫語はなんて言ってたんですか？♡」
梢「問題にしましょう、当てられるかしら」ﾌﾌｯ
花帆「えーっと……“にゃにゃにゃん”だから――」ｳｰﾝ
花帆「あっ！“花帆さん”！」ﾋﾞｼｯ
梢「っ！？///……ち、違うわ！///」
花帆「えーっ！イントネーション違ったと思うんだけどなぁ……」ﾑｽｯ
花帆「そうだ！せっかくだし、少しやってみませんか？」
梢「何が折角なのかは分からないけれど……わかったわ///」
花帆「制限時間は３分で、正解したら１ポイント」
花帆「時間内に当てられなかったら出題者に１ポイント、２ポイント先取した方が勝ちって感じでどうですか？」
梢「良いと思うわ、というより花帆さんにしては随分……いえ、何でもないわ」ｺﾎﾝ
花帆「あっ！今何か失礼なこと言おうとしましたね！」ﾌﾟﾝｽｶ
花帆「確かにクラスのお友達とやった時のルールの使いまわしですけど……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ
花帆「負けた方が勝った方の言うことを“何でも”一つ聞く！！」ﾋﾞｼｯ
梢「――！？」
訂正
✕花帆「時間内に当てられなかったら出題者に１ポイント、２ポイント先取した方が勝ちって感じでどうですか？」
◯花帆「時間内に当てられなかったら出題者に１ポイント、３ポイント先取した方が勝ちって感じでどうですか？」
梢「……そう、わかったわ」
梢「良い機会だから、言葉というものには責任が付き纏うということを教えてあげる」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ
花帆「うわっ、センパイの目の色変わった……で、でも！あたしだって負けませんからね！(威嚇)」
花帆「それじゃああたしから！テーマは“動物”！」
花帆「にゃにゃにゃにゃ！」
梢「カワウソ」ｷｯﾊﾟﾘ
花帆「えっ！？せ、正解……」ﾎﾟｶﾝ
梢「ふふっ、花帆さん自身が言っていたでしょう？」
梢「勝利の秘訣は“相手のことをよく知ること”って」
花帆「うっ……て、手強い」
花帆「えﾞっ！？き、筋肉！？」
梢「にゃ、にゃーにゃーにゃん……///」ﾎﾞｿｯ
花帆「声が小さいですっ！恥ずかしがらずにもう一度！」ﾋﾞｼｯ
梢「……にゃーにゃーにゃん！///」ｶｧｧ
花帆「かわいい♡……じゃなかった！筋肉……筋肉……わかんないよぉ！」ｱｾｱｾ
―３分後―
梢「さ、時間ね」
花帆「うぅ……なんかズルい……」ｸﾞｽｯ
梢「答えは僧帽筋ね、これでも分かりやすいものを選んだつもりなのよ？」
花帆「梢センパイ、本気なんだ……それならっ！」
花帆「はぁ……はぁ……これでポイントは２対２、同点ですよ！」
梢「なかなかいい勝負になって来たわね……」
花帆「それじゃあ次はあたしの番！テーマは……“あたしの大好きな人”！///」
花帆「にゃにゃにゃにゃんにゃいっ♡///」
梢「……！！」
花帆「もちろん正解してくれますよね？♡///」
花帆「はーい時間切れでーす」ﾑｽｯ
梢「……」
花帆「これでポイントは３対２であたしの勝ちでーす」ﾑｽｯ
梢「か、花帆さん……その……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ
花帆「梢センパイ、答え分かってたんじゃないんですか？」
梢「そうね……自意識過剰かも知れないけれど、思い浮かぶ答えは一つあったわ」
花帆「そんなことない！それをあたしは言って欲しかったんですっ！」
梢「…………」
梢「……謙虚も過ぎれば傲慢になる、と言うものね」
梢「正解は“梢先輩”で良かったかしら……？///」
花帆「答えるのが遅いんですっ！///」ﾌﾟﾝｽｶ
梢「ごめんなさい……どうにも“あと一歩”を踏み出せないのが私の悪い癖ね」
梢「私が躊躇った一歩を、躊躇無く踏み越えて手を伸ばしてくれる」
梢「そんな花帆さんが、私も大好きよ///」ﾆｺｯ
花帆「～～～！！///」ｶｧｧ
花帆「そんなこと言われても、全然嬉しくなんてないんですからねっ！///」ﾋﾟｺﾋﾟｺ
梢「これが一昔前に一世を風靡したという、“つんでれ”というものかしら……可愛いわね」
花帆「もう……もうっ！///梢センパイは負けたんですから、あたしのお願い何でも一つ聞いてもらうんですからねっ！///」
花帆「梢センパイは今日一日、あたしだけの猫ちゃんです！」ﾌﾝｽｯ
梢「ね、猫ちゃんと言われても……その……///」
花帆「あたしと二人の時だけ、語尾ににゃん♡を付けて喋って下さい！」ﾆｺｯ
梢「流石にそれは……///」
花帆「梢センパイとっっっても可愛いんですから、全面に出して行きましょう！ね！」
花帆「ついでに積極性も養えるかもで一石二鳥です！」ﾋﾟｰｽ
梢「ついで、ってあなた……」
花帆「にゃん！ですよ！にゃんっ♡」
梢「……にゃん///」
――
梢「や、やっぱりもう止めにしない……にゃん？///」
花帆「や～ん！可愛いっ♡あ、もちろん今日いっぱいはダメですからねっ！」
梢「わ、私は可愛くなんか……ないにゃん///」
花帆「そんな語尾付けて言われても説得力無いですよ♡」
花帆「カッコいい梢センパイも、可愛い梢センパイも大好きっ♡」
梢「…………///」
梢「にゃにゃにゃにゃにゃ」
花帆「えっ？急に猫語？……うーん？今のは何て言ったんですか？」
梢「秘密……にゃん♡」
花帆「えー？教えて下さいよーっ！」
おわり
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