ガチャン
梢「……突然ごめんなさい」
慈「ううん、いいのいいの♡」
消灯時間を1時間は過ぎた頃、梢がやってきた。
去年はかなりの頻度でお部屋に来てたけど、ここしばらくは廊下や教室で会うだけ。
慈「まずはお茶でも淹れよっか」ゴソゴソ
梢「あら、その紅茶」
慈「うん、梢が去年置いてったやつ」
梢「もうとっくに飲みきっていると思っていたのだけれど……ああ梢は自炊をしないものね」
慈「なにを~!めぐちゃんだってTKGも作れるしインスタントのコーヒーも淹れれるんだからね!」
梢「それは自炊と言えるのかしら……」
ふふ、確かに自炊とは言えないかもね。
それに、
慈「この紅茶はね~」
梢「ん?」
この紅茶はあなたと2人だけで飲みたかったから。
信じてたぞ
梢「んっ……待って今日は……ぃ…やっ♡」
慈「またまた~こんなになってるのに?」
にちゅ
梢「ちがっ…あっ……ちがうのっ♡」
慈「違うってなあに?」
くにゅくにゅ
梢「うううう……してないの…毛を処理してないのよ…」
慈「ん~~?あはっ♡本当だ♡……もさもさ♡」
慈「んふふ♡ねえ、梢♡お馬鹿なめぐちゃんに教えてほしいんだけど、なんでえっちしに来たのにもさもさなの?」
梢「そ、それは……///」
ぐいっ…ぷちっ
梢「ひゃうっ♡……い、言うからっ!んっ♡……そんなところの毛を…引っ張らないで!」
梢「ちょっと色々と考えていたらいつのまにか貴女の部屋の前にいて、でも処理していないのを思い出して帰ろうと思ったのだけれど……」
慈「えっちしたくなってノックしちゃった?」
梢「う、うん……///」
慈「そっかそっか♡そうまでしてめぐちゃんを求めてくれるなんてっ!めぐちゃんすっごく嬉しい♡」
慈「こずえちゃんはかわい♡かわい♡だねえ~♡」
よかった。
私とする時も気にしてくれるんだ。
でもほんとこんな可愛い梢を見るのはいつぶりかな。
最後にしたのは去年だったっけ。
──
梢「……」
コンコン
慈「ん、こずえ?」
梢「いれてっ」
慈「あわわっ!あ、鍵してよ!」
ガチャン
慈「え、え~っと……お茶飲む?」
がばっ
梢「お願い慈……抱いて」
慈「シャワーとか浴びない?」
梢「いい、このままめちゃくちゃにしてほしい」
慈「……そっか、うん♡ベッドいこ♡」
いつもはシャワーを浴びて、お茶を飲んで、今日あったことをお話しして、普通の友達みたいなことをしてからえっちをする。
それが私たちの線引きだったのに。
慈「はぁ♡はぁ♡……満足?」
梢「も、もっと……おかしくなりたいの……」
どろぉ
慈「そ、底なしだねえ……」
ぐりゅっ
梢「っ♡めぐっみぃ♡……めぐっ♡……ひ゛ぅっ♡」
慈「ちょ!声もっと抑えて!」
ぐにゅっ
梢「やあ゛っ♡あ゛っあ゛っ♡♡う゛~~~♡」
慈「あ、もう!指噛まないの!めぐちゃんの肩ならいくら噛んでていいから!ね?」
がりっ
梢「んく゛っ♡ん゛」
この時の歯型、まだうっすら残ってるんだ。
私と梢の思い出だから。
慈「まだっ♡やる?」
梢「っ♡♡♡♡♡」
その後も指と舌が攣りそうなほど激しく責めた。
……でも梢は全然満足してくれなかった。
後で聞いたんだけど、綴理と別れたんだって。
でもその話を梢から聞いた時、残念な気持ちよりも舞い上がるほどの喜びがあった。
これでようやく梢と付き合える、梢の心と身体を私のものにできるんだ、そう思ってた。
でも、その日を最後に梢が部屋のドアをノックすることはなかった。
そうして私たちは”友達”のまま進級した。
───
────
でもこれはこれでアリよりのアリなのだけれど…
梢「も、漏らしてなんか……」
慈「そっか~じゃあめぐちゃんの身体をべちゃべちゃに濡らしてるのはなんなんだろうね?」
梢「そ、それは……言わせないでよ…」
慈「ごめんね?梢があんまりにも可愛かったからつい意地悪しちゃった♡そのかわりっ♡」
ぐちゅっ
梢「んっ…はぁ♡」
慈「梢の♡なか♡いっぱい触ってあげる♡」
ずりっずりっ
梢「いまっ♡あっっ♡その名前は…お゛っ♡」
慈「上の方をぞりぞりされるの好きだね♡めぐちゃんと~♡いっぱいいっぱい遊んだもんね♡」
慈「梢の身体のっ♡気持ちいいとこも♡嫌なとこも♡綺麗なとこも♡……汚いとこも♡」
つぷぷぷぷ
梢「お゛っし…りぃっ♡お゛ほぉっ♡」
慈「ぜ~んぶ知ってるよ♡……誰よりも♡」
慈「あ、着替え大丈夫だった?」
梢「うん、ありがとう」
慈「去年の下着だったからサイズが不安だったけど、昔から梢はおっきかったもんね~~」
梢「……」
梢「…今日は見苦しいところを見せてしまったわね」
慈「いいよ、それに去年はもっとも~~っと色々見せてくれたじゃん♡」
梢「わ、忘れてちょうだい……///」
慈「え~…それなら綴理と初めてをする前に毛を剃ってあげたことも忘れないとだめ?」
梢「慈っ!」
慈「あはは」
慈「あのさ、今日は何でここ来たの?」
梢「え、それは……」
慈「何か考え事してたって言ってたよね、めぐちゃんでよかったら話くらい聞くよ?」
梢「そう……あれだけ恥ずかしいところを見られたんだもの、今更格好つけても……あのね」
慈「うんうん♡」
梢「花帆さんから告白されたの」
慈「……そっかあ」
あーあ、聞かなきゃよかったかなあ。
慈「何か引っかかるものがある……と?」
梢「やっぱり慈には隠しても無駄なようね」
慈「めぐちゃんだからね~」
本当、無駄だよ。
私はずっと梢だけを見てたんだから。
梢「正直に言うわね、忘れられないの……綴理を」
慈「……」
慈「なんて?」
いけない、いけない。ちょっと素が出ちゃった。
梢の前では明るく楽しいめぐちゃんなんだから。
梢「花帆さん、さやかさんをきっかけに……私は綴理とも向き合わなくてはならなくなった」
慈「はは~ん、それで想いが再燃したってこと?」
梢「ええ」
お腹の底に黒いものが沸々と生まれる。
綴理は大事な仲間で友達、でも同時に恋敵…だった。
こんな気持ち……持ちたくなかったよ。
知らないよ。
知るわけないよ。
梢「今でも好きっていうわけでもないの、でも綴理を見た時にふと去年のあの子が過るの」
慈「梢は……んっ」
慈「梢はさ……去年いっぱい悲しい思いして、いっぱい苦しい思いして、今もすっごく辛そうだよ」
梢「そ、そんなこと」
慈「……めぐちゃんにしときなよ?」
慈「私を選んでよ、乙宗梢」
梢「め、慈?」
やっば、つい言っちゃった。
でも言っちゃったもんは仕方がない。
めぐ思うゆえにめぐあり!なんてね。
慈「あのね、私は梢に何も求めないよ、お母さんもお姉さんもどんな役割も求めたりしない」
慈「お、お世話もセンパイとしてのエスコートもめぐちゃんの前ではぜーんぶサボっちゃっていいんだよ」
慈「お休みの日はお部屋で映画でも見てさ、飽きちゃったらえっちしたりしてそのまま寝ちゃってもいいの」
慈「こずも梢センパイも乙宗家の令嬢も何もかもお休み、ただの梢ちゃんでいてもいいの」
慈「どんなことも頑張る、梢が言うならお勉強も……したくないけど頑張ってやる、だ、だから!」
だきっ
慈「ぐすっ……私を選んでください……」
全部言ってしまわないと梢がどこかにいなくなるような気がして、流れる涙も拭かずに早口で捲し立てた。
慈「……っ」
聞きたくない。
知ってる。梢は私のことをどう思ってるか。
だからもう喋らないで。
梢「いいのかしら」
え
梢「昔の女が忘れられない、そんな弱い私でも慈の隣にいていいのかしら……めぐみ……」
慈「なんで……?」
梢「なんでって、貴女が告白したんじゃない」
慈「でも……花帆ちゃんから」
梢「断ることにするわ」
梢「……今ね、慈の言葉を聞いて考えてみたの」
梢「私と梢が一緒に暮らしてる未来を」
梢「一緒に掃除をしたり、料理をしたり、手を繋いでお買い物をして……同じベッドで眠って」
慈「……どうだったか聞いてもいい?」
梢「悪くない……そう思ったわ」
梢「慈となら同じお墓に入ってもいいかなって」
慈「……その言葉、本当に私が貰っていいの?」
梢「ええ、貴女へのプロポーズよ」
だって、だって、だって。
ずっと好きだった梢が私のことを…?
梢「でも、まだ綴理のことは忘れることができない……でも、でも、この想いは必ず捨てるから」
梢「慈がそんな私でもいいと言ってくれるなら」
慈「……別に捨てなくていい、それでも、いつかでいいから、その気持ちは思い出の箱に仕舞って欲しい」
慈「綴理が好きだった梢も本当だから」
二人して”でも”ばっかり。
でも、私たちは言い訳がましいくらいが丁度いい。
梢「めぐっ……………っ!」
乙宗梢と出会って一年とちょっと。
初めて感じた彼女の唇。
私の……私たち二人にとってのファーストキスは、
ううん、やっぱり秘密♡
また思いついたら書きに来てほしいな>>1
おつでした
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